4-5. 棚卸を早く終わらせるには

■棚卸の目的

棚卸とは、実際に現物を確認して、在庫を確定する作業です。
在庫は会計用語では「棚卸資産」と呼ばれ、棚卸資産を確定することで、原価が決まり利益が決まります。
その為に、棚卸は経営面において重要な意味を持ちます。
会社によっては、監査事務所の立会いまで行われる、重要な業務です。

棚卸し経営面だけでなく、実務面においても棚卸は重要です。
帳簿在庫と実在庫がズレていれば実務は非効率な状況に陥ります。

パソコン画面を見ただけで納期回答をすれば、実際はモノが出荷出来ず、クレームの山となります。
それが怖くて、営業部門は倉庫部門に本当に在庫があるかを確認したり、営業マンが確認に走ったりと無駄な作業が発生するのです。

倉庫管理においても、総数としては合っていてもロケーションやロットがズレていれば現場は混乱します。

「指示された場所にモノがない」
「あるはずのロットがない」

といったことがスムーズな庫内物流を妨げるのです。

このように、在庫は経営面からも実務面からも正確に管理しなければなりません。
しかし、ピッタリと合わせるのが難しいのも事実。
日々運用していくと、どうしてもズレは生じてきます。
その為、現物を確認し帳簿在庫のズレを正すのが棚卸なのです

■棚卸の品質は段取りで決まる

そんな大切な棚卸。
正確に行わなければならないのは当然ですが、スピードも要求されます。

正確に在庫を現物確認するために、棚卸日は出荷を止めることが多いのです。
その為「1日で終わらせないといけない」といった時間の制約がつきまといます。

正確さとスピードを求められる棚卸ですが、各企業で出荷品質がバラつくように、棚卸の品質も様々です。
上手くやっている企業がある一方、何日もかけないと終わらない企業もあります

まず棚卸で大切なのは、事前準備。
「段取り」が本番の結果を左右します。

  • 現場の整理整頓
  • 預かり品、不良品の識別
  • 担当者と担当ロケーションの決定
  • 実地記入の準備
  • 集計の準備
  • 当日スケジュール
  • 作業者への事前教育

こうした準備を行うことで、棚卸当日の作業をスムーズに行えることでしょう。

■ハンディターミナルで迅速に終わらせる

バーコードQRコードは、日常業務でも大きな効果を発揮するのはこれまでも述べてきました。(4-3. バーコードの活用 参照)

しかし、もっとも簡単に導入効果が表れるのが「棚卸」です
紙ベースの棚卸から、ハンディターミナルによる棚卸に変更することで、棚卸時間は大きく短縮します。
私の経験でも、通常より早く出勤し確定するのに深夜までかかっていた企業が、ハンディターミナルの導入により午前中には終わり、当日15時には通常出荷を行うようになった程です。

実地棚卸には時間のかかる2つの作業があります。
それが、「現場での目視カウントと記入」「各担当者からの結果の集計」

よく、
「バーコードをピッと読んで、数量をテンキーで入れるだけだから棚卸が早くなる」
という話を聞きます。

確かに現場での記入部分も多少早くなります。
しかし、より効果的なのは「結果の集計」なのです。

実地棚卸の結果を棚卸表に書込んでいたある企業では、皆ものさしをあてて、読み上げながら集計されていました。
行数にして1000行以上!これだけで1日かかりそうです。

ものさしをあてて読み上げながら集計・・・



しかし、ハンディターミナルを使ったシステムならば、集計はコンピュータが瞬時に行います
集計に要する時間がゼロになるのです。
この部分の時間短縮が決定的に違うのです。

しっかりとした「段取り」と、効果的な「ツール」を組み合わせることで、より正確で迅速な棚卸が実現できます。